特許庁に特許出願される発明は、ほぼ全て出願から1年6カ月後に公開され、誰でも内容を見ることができます。
権利化できずボツになった、とても実現できそうにないこんな発明もあり?といったアイデアのみ、おもしろ発明が数多くあります。これらの発明のあれこれを気ままに検索して妄想をかき立てたいと思います。
発明の検索法
特許庁が公開している情報を検索データベースから誰でも検索できます。しかも無料で!
この検索用のデータべースは「J-PlatPat」といい、簡単な検索から複雑な分類コードを用いた検索ができます。
簡単な方法は、「簡易検索」でワードを入れて検索すると文献番号のリストが出てきます。
このリストに書かれた「発明の名称」から興味のある出願をチェックすればよいのです。
「簡易検索」に「中松義郎」とインプットします。
ドクター中松のおもしろ発明
ドクター中松って誰?
何をしている人?
ドクター中松は本名が中松義郎といいます。1928年生まれ、発明家、実業家、政治活動家です。発明家として、いろいろなジャンルの特許出願がなされています。
フロッピーディスクは自分の発明と主張していました。特許になったものは少ないです。
発明にはおもしろいアイデア出願もあり、1件を紹介しましょう!
ドクター中松の足跡について勉強しました😂 pic.twitter.com/rxYs4gzTgU
— marucious (@marucious7) May 9, 2024
人間関係方程式
J-PlatPatにより「中松義郎」で簡易検索すると、多数の出願番号リストが出てきます。
そのうちの特開昭60-194800をチェックすると内容が分かります。
この発明は「人間関係を数式で表現したことを特徴とする人間関係方程式。」が特許請求の範囲です。これだけでは、内容が良く分かりませんね。
具体的な実施例として、1~81の実施例が示されています。
- 第1実施例 仕事ぶりを上司の目にとまらせる方程式
- 第2実施例 イヤな上司とうまくつき合う方程式
- 第3実施例 上司とも同僚ともうまくやる方程式
- ‥‥‥
- 第81実施例 政治家の金権度を計る方程式
なかなか興味深い方程式のようですが、係数や数値化が分からないファクターが多く客観的な理解が難しいと思います。
ちなみに第81実施例の中身を見てみましょう。
この式は、政治家の金権度Kがわかる方程式ということです。
金権度を高めるファクターとして、「本人の金に対する執着心」S、「見返り要求度」Rなどが示されています。本人の質量mが金権度を高めるファクターになっていますが、太った政治家の金権度は高いということ?(笑)
逆に低めるファクターには、「モラルの高さ」M、「身銭を切るキマエ良さ」k、「自分の持っているお金」Gなどが挙げられています。
いずれも本人以外は評価が難しいものばかりで、ある政治家の金権度を求めるのは難しそうです。
人間関係を方程式で表すというこの発明は、 特許庁の審査の結果、特許化はムリで拒絶が確定しています。
UFOに関する発明
UFOを検索ワードとして検索すると、UFO型ドローンや、玩具が多数ヒットします。人が乗れそうな飛行物体に関する出願を2件紹介しましょう。
円盤型の飛行物体
これは、特開2020-1671で、その請求項1では「空気の力と水素と空気中の酸素と燃焼で過酸化水素の小型ロケットエンジン(6)で飛行する円盤型の飛行物体。」とあります。添付された図面から説明してみましょう。
球形の燃料タンク4は水素を収納しており、燃料の重さが大変軽くなるので飛行可能になるとのこと。信じられない‥タンクの重量が相当重いでしょう。
飛行原理は燃料電池9からの電気を使用し、軸流ターボファン7により圧縮空気を生じさせ、これと水素で燃焼させる小型ロケットエンジン6で推力を得て飛ぶ。
このUFOが実現できれば環境にやさしく、運動性能にも優れた航空機になるでしょう。ただし特許庁での審査では拒絶が確定しています。
UFOの飛行原理に基づくUFO飛行装置
これは、特開2015-145675で、その請求項1では「磁石および対をなす電極が取り付けられた物体であって、それらの電極間で放電が可能なもの。」とあります。良く分かりませんね
添付された図面から説明してみましょう。
この発明は、フレミングの左手の法則から導かれるUFOの飛行原理にもとづくUFO飛行装置に関するとしています。
図面の例では磁石1と電極4,5が対で設けられており、電極間で放電することで構造体6に力ーFを受け、この力で飛行できるようです。
これが実施可能であれば、車に搭載して空飛ぶ自動車などが簡単にできそう。
残念ながら、特許庁の審査でこの発明は拒絶が確定しています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
権利化されていないアイデアのみのおもしろ発明は数多くあります。
なかには日の目をみない優れた発明もあるでしょうね
今後も特許情報を調べておもしろい発明を配信したいと思います。
ご覧いただきありがとうございました。
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