令和5年産のコメ価格上昇は続くのか?現状と今後の見通しを調査!

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昨年の異常気象が主原因で令和5年産のコメ価格の上昇が話題になっています。この令和5年産のコメ価格上昇は続くのか?

どの程度、上昇しているのか、また今後どうなるのか気になります。

この記事は、コメ価格の現状と今後の見通しはどうなのかを調査してみました。どうぞご覧ください。

令和5年産のコメ価格上昇の現状

農林水産省の資料からコメ価格や数量・在庫量などについてのデータを詳細に調べることができます

農林水産省の資料から分かること

令和5年度産米と前年度との価格の比較を農林水産省の資料からまとめてみました。価格は出荷業者と卸売業者間での相対取引価格を示しています。

表は、有名ブランド米を適宜選んでみました。数量は省いています。

表中の単位:円/玄米60㎏(税込み)

価格①:5年産米(6年4月) 

価格②:4年産米(5年4月)

  • 対前年比のアップ率は新潟「コシヒカリ(魚沼)」の100%から群馬「あさひの夢」130%までの範囲でばらばらの数字を示しています。
  • 銘柄により価格の差がかなりあり、全国の全銘柄平均では112%です。生産数量は記入していませんが、全国の生産数量の対前年比は86%とダウンしています。
  • 資料からは価格は急騰しているとは言えず、「銘柄により差があるが1割程度上昇している」との表現が妥当でしょうね
  • 産地と銘柄を選定すれば購入価格を低く抑えられるように思えます。

小売物価統計の推移 (農林水産省:「コメに関するマンスリーレポート」より)

・総務省が公表している小売物価統計によると、令和6年5月のうるち米の小売価格(5kg当たり)は、コシヒカリで対前年同月比+9.6%の2,490円。

コシヒカリ以外の銘柄の平均では、対前年同月比+9.2%の2,403円。

小売価格についても大幅な価格上昇はなさそうです。

補足

農林水産省の資料からは、小幅な値上がりとしか読めませんね。ニュース報道・記事では、流通量が不足していることからスポットでの業者間の取引価格が急騰していると指摘されています。

例えば、秋田「あきたこまち」の5月末での60キロ価格(税別)が2万5500円で昨年9月から7割上昇しているとのこと

このスポット市場で取引されるコメの量は少ないですが、在庫量が減っている現状から業界での相場への影響があるようです。

利ざやで儲けようとするブローカーが価格をつり上げている可能性もありそう。

TV報道などから読み取れる現状

コメ価格の急騰というテーマでのTVニュース動画では神奈川県にあるスーパーのコメ売り場でガラガラの商品棚が映し出され、深刻な品不足と説明されています。

全国各地のスーパーでこのようになればパニックになりそう。

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筆者が行くスーパー(埼玉県)ではこのような商品不足はなく例年と同じような商品数が並んでいます。スーパーの仕入れ先の状況によるのかなと思いますが実情は分かりません。

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また、すし店ではインバウンドの影響で客数が増加にもかかわらず、コメの仕入れ価格が値上がりしており、これ以上の値上がりになればすしの値段を値上げせざるを得ない状況で心配とのこと。

コメの仕入れ方法や品質を落とせない業種によっては、農林水産省のデータ以上に価格値上がりの影響が出始めていることが分かります。

コメ価格上昇の理由と今後の見通し

コメの卸売業者および精米所業者の見解を集約すると、価格上昇の理由として、

・令和5年の猛暑。暑さのためにコメが小粒になり「背白粒」「原白粒」など品質低下が発生したこと。

これにより、精米の歩留まりが低下し、使用する原料が大幅に増加した。

・コロナ禍明けで業務用、家庭でのコメ消費量が回復していることや、インバウンドによる需要が増加したこと。

今後の見通しとしては、

令和6年産の新米が7月下旬から8月にかけて市場に出回るので在庫不足・値上がりは次第に解消されるでしょう。

ただし、今年も猛暑や水不足の影響が懸念されています。新潟県の「新之助」など暑さに強い品種が開発されており期待したいところです。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今年も猛暑になりそうです。6月でも35度以上の真夏日が発生しています。暑さに負けないコメの生育に期待したいですね 

一消費者としては、品不足でパニックにならず、米作農家の方々や関係者のご努力が報いられて価格安定に向かえばよいなと思います。

ご覧いただきありがとうございました。

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