2025年8月8日、プロボクサー・神足茂利(こうたり しげとし)さんが、28歳という若さで急性硬膜下血腫のため死去されました。
東洋太平洋スーパーフェザー級王座への挑戦中、熱戦の末に起きた悲劇にボクシング界は深い悲しみに包まれています。
ご冥福を心よりお祈り申し上げると共に、彼の輝かしい経歴や家族構成、そして兄との感動的なエピソードを振り返ります。
神足茂利さんの経歴

●神足茂利(こうたり しげとし)さんは愛知県名古屋市出身のプロボクサーで、身長178cm、右ボクサーファイターというスタイルで知られています。1996年9月2日生まれ、血液型はB型。
⦿略歴としては、小学校時代はサッカー部でゴールキーパーを務めましたが、中学1年生でボクシングを開始。
その後、愛知県立瀬戸北総合高等学校に進学し、全国選抜3位の成績を収めています。卒業後は、日本大学へ進学し、名門の日大ボクシング部で活躍しながらアマチュア通算73戦50勝23敗の戦績を残しました。
⦿大学卒業後は神奈川県相模原市のM・Tジムに所属し、2019年10月5日にプロデビューとなります。
・デビュー戦は2回TKO勝ちを収め、その後も国内外から注目される選手へと成長。
・プロ戦績は12戦8勝(5KO)2敗2分、OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級5位、日本スーパーフェザー級4位にランキング。
★学生時代から一貫してボクシングに情熱を注ぎ、厳しいトレーニングと実戦経験を積み重ねてきた努力型のファイターです。
アマチュア&プロ試合歴・主な戦績
●神足茂利さんのアマチュア戦績は73戦50勝(5RSC含む)23敗で、全国選抜大会では3位入賞の実績があります。
⦿大学時代は日大ボクシング部の主力選手として活躍し、アマチュア時代から全国的に注目されていました。
●プロでは2019年10月5日に2回TKOでデビュー勝利し、通算戦績は8勝(5KO)2敗2分。
・OPBF東洋太平洋スーパーフェザー級5位、日本スーパーフェザー級4位にランクされ、2025年8月2日に東洋太平洋王座初挑戦で波田大和選手と三者三様の判定引き分けとなりタイトル獲得は逃しましたが、12ラウンドを戦い抜いて実力を発揮。
これまで国内外の選手と対戦し、着実にキャリアを積み重ねていました。
主なプロ試合歴(抜粋):
★神足茂利さんは長身178cmを活かした右ボクサーファイター型で、堅実な試合構成と粘り強いファイティングスタイルで国内外から高評価。
最後の試合と急性硬膜下血腫
●神足茂利さんの最後の試合は、2025年8月2日に東京・後楽園ホールで開催された東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ12回戦で、王者・波田大和選手に挑戦しました。
⦿試合は両者とも流血するほどの激闘となり、偶然のバッティングで眉間をカットするなどダメージの大きい展開でしたが、三者三様の判定(115-113、113-115、114-114)で引き分けとなり、王座獲得はなりませんでした。
⦿試合後、神足さんは判定結果が発表された直後は自力でリングを降り、相手陣営にあいさつもしていました。しかし控室に戻った後、意識もうろうとなり、そのまま担架で救急搬送される事態に。
・病院で「急性硬膜下血腫」と診断され、緊急開頭手術を受けましたが、その後も意識は戻らず、逝去された報道につながりました。
急性硬膜下血腫は、脳と硬膜(脳を覆う膜)の間に急激に出血が起こる重篤な脳損傷で、格闘技など激しい打撃を受けるスポーツ選手に発生することがあり、迅速な医療対応が求められる危険な疾患です。
★この事故はボクシング界・スポーツ界へ安全対策を問う大きな波紋となりました。
家族構成と兄との絆
●神足茂利さんは両親と兄、本人(次男)の4人家族で育ち、家族の温かい支えの中でボクシングに打ち込んできました。現時点で、彼自身の結婚や子供の有無については公式発表がなく、公表もされていません。
⦿特に兄との絆は深く、神足さんの兄は自身のSNS(X)で弟の闘病や回復を願う心情、そして多くの応援やお悔やみの声を発信しています。
・兄の投稿からは「毎日病院に通い、奇跡を信じたい」「弟の回復を信じて待っている」といった言葉が見られ、家族が一丸となって弟を支え続けた様子がうかがえます。
⦿兄は松田ジムでトレーナーを務めており、試合後も迅速に情報を発信し神足さんの変化を伝えるなど、実務面・精神面双方でサポートしていました。
・こうした家族の献身ぶりは多くのファンや関係者に感動を与え、兄弟愛の象徴的なエピソードとして報道でも強調されています。
★神足茂利さんは、家族、とりわけ兄との強い絆に支えられたプロボクサーとしてその人生を駆け抜けました。
ボクシング界への波紋と安全対策
●神足茂利さんの急性硬膜下血腫による死去は、2025年8月に日本のボクシング界に大きな衝撃と深い悲しみをもたらしました。
⦿この事故は、同じ興行でほかにも選手が急性硬膜下血腫で緊急手術を受けるという深刻な事態で、ボクシング界に安全対策強化の必要性を強く突きつけています。
●近年、日本のボクシング界では急性硬膜下血腫による重篤な頭部外傷事故が相次いでおり、2024年から2025年初頭にも同様の事故が複数発生しています。
急性硬膜下血腫は特に頭部への強い打撃や激しい揺さぶりによって起こりやすく、試合後に意識が正常でも数十分~数時間以内に急速な症状悪化が生じることが特徴で、初期対応の遅れが命取りとなる恐れがあります。
⦿日本ボクシングコミッション(JBC)を中心に安全対策の見直しが進められており、具体的には以下のような対応が検討・実施されています。
- 東洋太平洋や国内大会の試合ラウンド数短縮(12回戦から10回戦への変更など)
- 減量方法やスパーリング時の安全管理強化
- 脳振盪や頭部外傷の早期発見と迅速な医療搬送体制の整備
- 選手や関係者への脳損傷リスクに関する教育と啓発
- 試合後のモニタリング強化と異常時の即時対応チェック
⦿一方で、ボクシングの競技特性上、激しい頭部打撃が避けられないため、リスク完全排除は困難であるとの認識もあり、競技の魅力と安全確保のバランスを取る難しさも指摘されています。
★神足茂利さんの事故を受けて、ボクシング界では安全への意識が一層高まり、選手生命と健康を守るための技術的・制度的対応が急務。
・彼の悲劇が無駄にならないよう、今後さらなる安全対策の強化が期待されている状況です。
【追悼】プロボクサー神足茂利が死去!経歴と家族構成を徹底解説!まとめ
いかがでしたでしょうか?
神足茂利さんは、努力と家族愛に満ちたプロボクサーとして、多くの人に希望と感動を与えました。
惜しくも2025年、急性硬膜下血腫により28歳で逝去されましたが、彼の熱い闘志や誠実な人柄、兄弟や家族との深い絆はファンの心に強く刻まれています。
今回の事故はボクシング界に安全対策の重要性を改めて問いかけ、彼の軌跡は「選手の命を守る努力」を促す大きなきっかけとなりました。
神足さんのご冥福を心よりお祈りします。
ご覧いただき有難うございました。
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